箱庭療法

 スイスのカルフが発展させた表現療法です。子どもから大人まで、様々な方に適用されています。

 箱庭療法では、相談者は棚にあるミニチュアの玩具を自由に手に取り、砂の入った木箱の中に置いていきます。カウンセラーは少し離れたところからその様子を見守ります。そして相談者は、箱庭を通して自分の思いついたイメージや物語を表現し、箱庭をつくり終えてから、その体験をカウンセラーと共に振り返ります。

 箱庭をつくるというのは、「製作する」というよりも「遊ぶ」感覚に近いかもしれません。見本や完成図に合わせて作り上げるのではなく、自然と思い浮かんだイメージや物語を、アイテムや砂の感触を確かめながら自由に表現していきます。

 そして箱庭療法において大切なことは、表現された内容をカウンセラーが意味づけて相談者に伝えることではなく、相談者自身が「なんだかしっくりくる」感じや、「どうもぴったりこない」といった感じを味わいながら、「わたしの表現」を通して自分自身の中にあるイメージや物語に触れるということです。そうした体験そのものに治癒的な効果があり、相談者がそのプロセスを安心して歩めるように、カウンセラーは相談者と共に居ることになります。